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漬け酒・パンチの基本

ご家庭でも気軽に楽しめる漬け酒。梅の実が採れる季節になると梅酒を漬ける方も多いのではないでしょうか。
漬け酒研究所では、ベースとなるお酒に、ラテン諸国で生まれたサトウキビ酒のラム酒やカシャッサを使って作る漬け酒をご紹介します。

フルーツ、ハーブの漬け酒

なぜラム酒やカシャッサなの?

果実酒のベースとなるお酒ではホワイトリカーが一般的ですが、味わいや香りをより一層楽しむにはベースのお酒に注目してみると、もっと漬け酒を仕込むのが楽しくなります。

ラム酒やカシャッサが飲まれているカリブ、中南米のラテン諸国では、漬け酒を「パンチ」や「アランジェ」と呼び、露店などでお土産として売られるほど地域に深く根付き親しまれています。「パンチ」とは、元来「5つ」という意味で、もともとのレシピでは5種の材料「酒、砂糖、柑橘類、水、紅茶またはスパイス」を混ぜ合わせたものですが、現在では簡略化されたレシピやパンチカクテルとして広く知られています。

ここでは、基本となる作り方を紹介します。

出来上がるまでの大まかな流れ

果実を使った場合を想定した全体の流れから説明します。※具材によって用意するものや期間が変わります。

ポイント

  • 飲みごろになるまでは、およそ1ヶ月
  • 4度の味見と調整
  • 具材と原酒の割合で味わいの濃淡が出る

用意するもの

  • ベースになるお酒(ラム酒またはカシャッサ)約500ml
  • メインの具材(※稗、粟、麦、米、葡萄は法律で禁じられています)約380g
  • レモン
  • スパイスやハーブ(※お好みで)
  • 氷砂糖35~40g程度
  • ガラス容器(※果実の場合は原酒の量に対して約2倍の容量のもの)
  • 無水エタノール(※イソプロパノール無添加のもの)
  • キッチンペーパーもしくは清潔な布
  • 調理用手袋
  • 菜箸(※必要に応じて)

手順

ガラス容器の殺菌・消毒

容器本体のほかに、容器の蓋や留め具など、お酒や具材が触れる箇所はすべて消毒が必要になります。煮沸もしくは、無水エタノールを染み込ませたキッチンペーパーで容器の隅々まで拭きながら、水気や不純物が残っていないことを確認してください。

無水エタノールを使用する際は充分な換気を行なってください

水分をしっかり拭き取る

具材すべて(※スパイスや乾燥ハーブは除く)を水洗いした後、水分が残らないように、しっかり拭き取ります。

材料を合わせる

メインの具材をお好みのサイズにカットし、容器に入れ、ベースのお酒(原酒)で容器の8〜9分目くらいまで満たし、氷砂糖を少量(15g程度)加えます。しっかりと蓋を閉め、3日ほど保管。

ココがポイント

時々容器を揺すって全体を馴染ませる
具材が液面から出ないように原酒で満たす

最初の味見

抽出の具合を確認します。まだ、かなり荒々しいですが、ほんのりと具材の風味が感じられ、期待が高まります。氷砂糖をさらに少量(15g程度)とお好みでレモンスライスやレモンピールを加え、1週間ほど寝かせます。

2回目の味見

甘みや酸味、抽出の具合を確認します。甘みが足りない場合は、氷砂糖を微量(5〜10g程度)追加。より風味を出したい場合は、具材を追加するしたりするのも良いです。そして、さらに1週間ほど寝かします。

※お好みの方は、このタイミングでシナモンスティックを加えると、深みや複雑味が出ます。

3回目の味見

全体バランスの調整。
甘みが足りない場合は、氷砂糖や蜂蜜を微量加えます。味見して減ってしまった分量の原酒を加えると味の厚みが増します。お好みで、アクセントに味や香りの強いハーブやスパイスはこのタイミングで加え、さらに1週間ほど寝かせます。

最後の味見

味の最終確認をします。
問題なければ、スパイスやハーブ類を取り除き、さらに1週間寝かせます。

おまたせしました。そろそろ、飲み頃です

はじめは、具材を残したままで、ヴィジュアルも楽しんでください。

日々、味わいに変化が出てくるので、渋みや苦みの兆しを感じたら、サラシなどで濾して別の容器に入れ替えます。また、さらに具材を足すのも良いでしょう。

漬け酒研究室のサイトオープンにあたり、「日々を綴るWebマガジン 'n'」に投稿した記事を加筆して投稿してます。

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